こんばんは!札幌市中央区のさっぽろデンタルオフィスパートナーズ院長の和田です!
突然ですが、11月8日は「いい歯の日」です。
いつまでも自分の歯で食事を楽しみ、健康的な生活を送るためには、歯を失わないことがとても大切です。
みなさんは、将来、自分の歯を残していたいと思いますか?
むし歯や歯周病になってから治療することも大切ですが、それ以上に重要なのは、病気を予防し、今ある歯を長く守っていくことです。
今回は、定期的に歯科医院へ通うことと、自分の歯を残すことの関係について、実際の研究論文を交えながらご紹介します。
0.そもそも歯は何本あるの?
一般的には、成人の方だと親知らずを除いて上に14本、下に14本、合わせて28本の歯をお持ちです。
先天的に歯が少ない方や、矯正治療に伴い抜歯される方もいらっしゃいますが、
大人の歯は生え変わらないため、万が一歯周病やむし歯で抜歯となると、代替治療としてインプラントやブリッジ、入れ歯が必要になります。
1.定期的に歯科医院へ通う人ほど、歯を多く残せる?
歯科医院での定期検診やメインテナンスは、本当に歯を長く残すことにつながるのでしょうか?
この疑問について、2024年にイギリスの学術誌「BDJ Open」に興味深い研究が発表されています。
この研究は、世界5か国で行われた長期追跡研究をまとめたシステマティックレビューです。
- Mohd Khairuddin AN, et al. Impact of dental visiting patterns on oral health: A systematic review of longitudinal studies. BDJ Open. 2024;10:18.
11本の論文を分析した結果、定期的に歯科医院を受診している人は、そうでない人と比較して、
- むし歯の経験が少ない
- 歯を失う本数が少ない
- 口腔内の健康に対する満足度が高い
という傾向が確認されました。
つまり、定期的な歯科受診は、将来にわたって自分の歯を守ることと関連しているのです。
もちろん、歯科医院に通うだけで歯を失わなくなるわけではありません。しかし、定期的にお口の状態を確認し、問題が小さいうちに対応することは、歯を守るための大切な習慣といえます。
2.15年以上メインテナンスを続けた患者さんの研究
日本国内にも、非常に興味深い研究があります。
2009年に日本歯周病学会誌に掲載された研究では、一般歯科医院で15〜32年間にわたりメインテナンスを受けていた291名を調査しています。
その結果は、次のとおりでした。
- 平均メインテナンス期間:約26年間
- 1本も歯を失わなかった人:38.2%
- メインテナンス期間中に失われた歯:全体の8.3%
- 1人当たりの平均喪失歯数:2.2本
約26年間という長い期間、メインテナンスを続けた患者さんのうち、約4割の方は1本も歯を失っていませんでした。
もちろん、この研究はメインテナンスを継続した患者さんを対象とした調査であり、受診しなかった人との直接比較ではありません。
それでも、長期にわたって歯科医院でお口の健康管理を続けることの意義を考えるうえで、とても参考になる結果です。
3.日本の歯科医院における10年間の比較研究
2016年には、東京歯科大学の研究グループによる、歯科医院への通院状況と歯の喪失に関する研究も発表されています。
この研究では、1,400名を対象に10年間の歯の喪失状況を調査しました。
患者さんを以下の3つのグループに分けて比較しています。
- 定期的に通院する人
- 不定期に通院する人
- 痛みや症状が出たときだけ受診する人
この研究では、定期的にメインテナンスを受けている人は、痛くなったときだけ歯科医院に通う人と比べて、
10年間に歯を失う傾向が少なかったことが報告されています。(オッズ比で0.65)
つまり、定期的に歯科医院へ通っている人ほど、将来も自分の歯を多く残せる可能性があります。
4.なぜ定期的なメインテナンスが大切なの?
では、なぜ定期的に歯科医院へ通うことが、歯を守ることにつながるのでしょうか?
大きな理由は、むし歯や歯周病は、初期の段階では自覚症状が少ないことが多いからです。
特に歯周病は、痛みなどの自覚症状がないまま進行し、気づいたときには歯を支える骨が大きく失われていることもあります。
定期的なメインテナンスでは、次のようなことを行います。
① むし歯・歯周病の早期発見
定期的に歯や歯ぐきの状態を確認することで、異常を早期に発見し、必要な対応につなげます。
② 歯石やバイオフィルムの除去
毎日の歯磨きだけでは取り切れない汚れを、専門的な器具を使って除去します。
③ 歯磨き方法の確認と改善
患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて、歯ブラシや歯間ブラシなどの使い方を確認します。
④ お口のリスクに合わせた予防
むし歯や歯周病のリスクは、人によって異なります。お口の状態に合わせた予防方法や通院間隔を考えることが大切です。
かみ合わせの点検や調整、生活習慣の確認、歯だけでなく全身的なチェック…などなど
こうした取り組みを継続することが、将来の歯を守ることにつながります。
5.歯を失ってからではなく、失う前に守る
歯は、一度失ってしまうと、元の状態に戻すことはできません。
インプラントやブリッジ、入れ歯など、失った歯を補う治療方法はありますが、天然の歯に勝るものはありません。
だからこそ、今ある歯をできるだけ長く残すことが大切なのです。
私たち、さっぽろデンタルオフィスパートナーズは、「歯を治すだけでなく、守る歯科医院」を目指しています。
治療が終わったら、それでおしまいではありません。
治療後も定期的にお口の状態を確認し、むし歯や歯周病の再発を防ぎながら、患者さん自身の歯を長く守っていくことが重要だと考えています。
まとめ|11月8日、いい歯の日をきっかけに
将来も自分の歯でおいしく食事を楽しむために、今からできることがあります。
それは、毎日の丁寧なセルフケアと、歯科医院での定期的なメインテナンスです。
「痛くなってから歯医者に行く」のではなく、「歯を守るために歯医者へ行く」。
そんな習慣を、ぜひ今日から始めてみませんか?
11月8日の「いい歯の日」が、ご自身のお口の健康を見直すきっかけになれば幸いです。
私たちは、目の前のむし歯を治すことだけでなく、10年後、20年後も患者さんが自分の歯で食事を楽しめることを大切にしています。
札幌で歯の定期検診・予防歯科をご希望の方は、さっぽろデンタルオフィスパートナーズまでお気軽にご相談ください。
大切な歯を、これからも一緒に守っていきましょう。
参考文献
- Mohd Khairuddin AN, et al. Impact of dental visiting patterns on oral health: A systematic review of longitudinal studies. BDJ Open. 2024;10:18.
- 須田聡, 須田晃. 長期メインテナンス患者における歯の喪失に関する一考察. 日本歯周病学会会誌. 2009;51(2):169-174.
- Yoshino K, et al. Tooth Loss in Problem-oriented, Irregular, and Regular Attenders at Dental Offices. Bull Tokyo Dent Coll. 2016;57(1):11-19.


