歯の病的移動を伴う重度の歯周病に対して歯周組織再生療法とインビザライン治療を行った症例
年齢・性別
・男性
治療名
治療内容
【初診時の写真】
主訴は歯ぐきが腫れて血が出ることと前歯が動いてきて食事しにくいことです。
上の前歯・奥歯の歯ぐきが腫れています。
全体的に歯周病が進行し、歯が揺れるとともに、
上の前歯が前方へ倒れてしまい、前歯同士で咬めていません。
病的な歯の移動Pathologocal tooth migrationが認められます。
前歯~奥歯にかけて最大で9㎜の歯周ポケットがあり、重度の歯周病に罹患しています。
【治療経過の写真:歯周病治療】
まずは衛生指導を行いつつ、歯周病治療を進めていきます。
すごく熱心に歯磨きをしてくれたことで、歯ぐきの状態はどんどん良くなっていきます。
歯周ポケットが深いところは、歯周病で失った骨を回復する歯周組織再生療法を行います。
【矯正治療の写真】
歯周病で前方に動いてしまった前歯を引っこめるために、インビザラインで矯正治療を行います。
インビザラインは軽度かつ持続的な力で歯を動かすため、
歯周病になっている歯の矯正にも利用できます。
【治療終了後の写真】
歯ぐきの腫れは改善し、前歯でのかみ合わせを獲得することができました。
前歯や犬歯で安定して咬めることで、奥歯が守られる咬合様式になります。
治療前後のお顔の写真です。
もともと素敵な笑顔が、さらに魅力的になりましたね!
一般的に、
重度歯周病にかかっている方の場合、残存する骨が少ないため矯正治療のハードルは上がります。
先に歯周病治療を行ってから矯正治療に移行することで
歯ならびが治ることで清掃性が向上し、
かみ合わせが安定することで個々の歯にかかる負担が分散されるため
結果として大事な歯を守ることにつながります。
これからも定期的な検診で、歯を大事にしていきましょう~(^^♪
治療方針
歯周病の悪化に伴い、歯が病的な移動を起こしているため、歯周病治療後に再発防止の観点から矯正治療を行います。
歯周病治療では、基本治療ののち深い歯周ポケットが残存したところには歯周組織再生療法を行い、できるだけ歯を保存する治療方針を立てます。
歯周病が安定したのを確認したのち、矯正治療を行います。
インビザライン矯正は、マウスピースを取り外しできることで清掃性が高く、軽度で持続的な強制力をかけられるため歯周病罹患歯でも骨を損なわずに矯正が可能です。
治療期間
2年6か月
治療費用
インビザラインスマートプラン 570,000円
医師からのコメント
当院では、まず専任のコーディネーターによる個別カウンセリングを通して、歯の重要性や価値、将来どのようなお口の中で過ごしたいのかといった要望や思い、そして予算や期限などをしっかりとお聞きします。そのうえであなたにとって最良の方法を相談しながら決定していくことができるため、予めゴールを患者・術者双方が共有した状態で治療を始めることができます。方向性が決まる前に歯を抜いたり削ることはございませんので、安心してください。
矯正治療はインビザライン/ワイヤー矯正から選択できます。歯周病に罹患している場合、
- ・矯正治療中は、虫歯や歯周病が進行しやすいまたは歯根吸収のリスクがあります。
- ・矯正治療後は、後戻りするリスクがあります。後戻り防止のために。適切なリテーナーの着用をお願いしています。